和尚のひとりごとNo1083「法然上人一代記 13」

13.南都より京都へ帰る
法然上人は比叡の山へ帰る途上、京都宇治の平等院に立ち寄り浄土の教えに関する書物を紐解きました。
のちの法然上人の教えで肝要(かんよう)なことは、念仏往生が確実となる為にはその根拠として仏の本願がなければならないという事です。『往生拾因(おうじょうじゅういん)』には念仏による往生は説かれても、その根拠となる事柄は見出し得ませんでした。
南都や京都への遊学によっても出離解脱(しゅっりげだつ)の道を見出すことができなかった法然上人のお心は如何(いか)ほどであったでしょう。あらゆる衆生が救われる道は念仏による往生しかない、すでに法然上人はそのように心を決めておられたに相違ありません。
その根拠を求め比叡山へ帰りさらなる勉学を積む決心をされました。