和尚のひとりごとNo1115「法然上人一代記 44」

44.七箇条制誡

嵯峨二尊院にて門弟たちを前に明らかにされたこの戒めは「七(しち)箇条制(かじょうせい)誡(かい)」と呼ばれています。
1.理も知らずに、天台や真言の教説を否定し、阿弥陀仏以外の仏や菩薩を謗らぬように
2.学問をせずして学問を積んだ智慧ある者と論争せぬように
3.他の信仰に基づき、それを行ずる人たちに対して、それを止めさせたり非難することをせぬように
4.念仏門には守るべき戒もなく悪を為すことも恐れないなどと主張せぬように
5.師の教えを離れて自分勝手に義を唱えぬように
6.教えを広まるにあたり唱導を好んで、正しき理を知らずして教化せぬように
7.仏の教えではない邪なる法を説かぬように

法然上人は以上の内容につき、門弟百九十名の署名をとり、誓状をそえて座主に送りました。九条兼実の口添えもあり事なきを得ましたが、続けて今度は南都興福寺より興福寺奏状が出されます。念仏の教えを奉ずる新たな宗を建てることを非難する内容であり、ここで法然上人は名指しで弾劾されています。