和尚のひとりごと№1304「真身観文7」

和尚のひとりごと№1304「真身観文7」

彼佛圓光、如百億三千大千世界。於圓光中、有百萬億那由他、恆河沙化佛。

ひぶつえんこう、にょひゃくおくさんぜんだいせんせかい。おえんこうじゅう、うひゃくおくまんのくなゆた、ごうがしゃけぶつ。

かの仏の円光、百億の三千大千世界のごとし。(その)円光の中において、百万億那由他、恒河沙の化仏あり。

【言葉の説明】
圓光        神仏から発せられる聖なる光をかたどってその背後に表したもの。光背 後光

三千大千世界         全宇宙を表す表現。三千世界ともいわれる。三千大千世界の三千とは、小千・中千・大千の三種の千のことであり、大千世界はこれら三種の千世界を含むから三千大千世界と呼ばれる。仏教では須弥山を中心として一つの世界が作られていると考え、これを須弥山世界という。この須弥山世界が千個集まったものが小千世界、小千世界が千個集まったものが中千世界、中千世界が千個集まったものが大千世界(あるいは三千大千世界、三千世界)である。つまり三千大千世界とは世界「1000×1000×1000」すなわち一〇億個集まったものである。三千世界という名称は、世界が三千個集まったものを意味するのではなく、千の三乗個世界が集まったものを意味する。

化仏        仏が衆生を済度するために、神通力によって別の姿で現れるその身のこと

【現代語訳】
その無量寿仏の背後で輝く光の輪(円光)は、全宇宙(三千大千世界)が百億も入る広さなのである。その円光の中には、無量寿仏が自ら現し出した分身(化仏)が百万億那由他恒河沙も浮かび上がっている 。

 

参考文献 
現代語訳浄土三部経 (浄土宗出版)
浄土三部経 (岩波文庫)