和尚のひとりごと№1235「第一願 無三悪趣願」

和尚のひとりごと№1235「第一願 無三悪趣願」

浄土宗全書より

 

第一願 無三悪趣願(むさんなくしゅがん)

 

設我得佛國有地獄餓鬼畜生者不取正覺
(せつがとくぶつこくうじごくがきちくしょうしゃふしゅしょうがく)

 

たとい我(われ)、仏を得たらんに、国に地獄・餓鬼・畜生あらば、正覚を取らじ。

 

【言葉の説明】

 

国  仏国土(浄土)のこと。 仏さまが在住して衆生を教化する世界。 一仏一国土 無数の仏国土があり、それぞれに仏さまが在住されている。 

正覚 正しく完全な覚り(覚りを得て仏と成る)

 

【現代語訳】

 

私が仏となる以上、私の仏国土で地獄道・餓鬼道・畜生道に苦しむ者が、あるようならば、私は、仏となるわけにはいかない。

 

人の苦しみは深く、その背負っている悪業は重い。仏の国に生まれたくらいでは、その悪業の報いが無くなることがないかもしれないという思い、悪業に怯え、悪業の報いから逃れたいという願いに応じたのがこの第一願ではないでしょうか。

 

参考文献 

現代語訳浄土三部経 (浄土宗出版)

無量寿経 (注解者  阿満利麿  筑摩書房)