和尚のひとりごと№1217「聖光上人御法語後遍二十四」

和尚のひとりごと№1217「聖光上人御法語後遍二十四」

我等無始(われらむし)より生死(しょうじ)に輪廻(りんね)す。今度(このたび)念仏に遇(あ)いて往生を得(う)べし。 此れは是れ上上人(じょうしょうにん)なり。最勝人(さいしょうにん)なり、好人(こうにん)なり、妙好人(みょうこうにん)なり。 また観音勢至(かんのんせいし)の二尊(にそん)、朋友知識(ほうゆうちしき)と為(な)りて影護(ようご)を垂(た)れ、増上(ぞうじょう)の勝縁(しょうえん)と為りて行者(ぎょうじゃ)を離れず。此の現益(げんやく)を思うに、念仏行者尤(もっと)も殊勝(しゅうしょう)なり。

 

念仏行者尤(もっと)も殊勝

我々は始まりも見えぬ過去より生死に輪廻してきた。そしてこの今生(こんじょう)において念仏の教えに出遭い往生をすることが出来るのである。これこそは人間たちの中で類(たぐい)まれなる人であり、最も勝れたる人であり、好(よ)き人であり、さらに妙(たえ)なる好(よ)き人である。また観音・勢至の二尊(にそん)は、善(よ)き友、導き手となって影の如くつき従って護り、往生の為に極めて力強く勝れた縁となって行者より離れることがない。こうした現世での利益(りやく)から考えるに、念仏行者は最も殊勝なのである。