和尚のひとりごと№2428「看病用心鈔」94

和尚のひとりごと№2428「看病用心鈔」94

看病御用心19-7

               良 忠

 

一念もしあやまち((誤))ぬれハ 輪廻に堕すといへり かなしき((悲))かな いかにせむ ねかハくハ 知識大慈大悲をもて 憐愍救護して 弟子が最後断寿のきさミ((刻)) 一息とゝまるあひたを 見おくらせ((送))給へ 

なかく歴劫の受苦をまぬかれて、すみやかに 無為常楽にあつから((預))ん

 

【現代語訳】

一遍の念仏でも、もし間違ってしまえば、輪廻(りんね)(迷いの世界を生きかわり死にかわること)の世界に堕ちると言います。悲しいことではありませんか。どのようにすればよいものでありましょうか。願うところは、知識たる人は大慈悲の心をもって、病人を憐れみ救護し、その人の寿命が尽きて息を引き取る最後の瞬間を見送るように心がけなさい。そうすれば、極めて長い年月にわたって受けるであろう苦しみをのがれて、すみやかに無為常楽(むいじょうらく)の境地に到ることでありましょう

 

本文ならびに現代語訳は、神居文彰他著『臨終行儀—日本的ターミナル・ケアの原点—』(渓水社、一九九三)より転載させて頂いております。