和尚のひとりごと№2363「看病用心鈔」32

和尚のひとりごと№2363「看病用心鈔」32

看病御用心8-4                  良 忠

そのゆへは 人のい(言)ひさた(沙汰)するになれハよしなき物のほしく(欲)おほえて 心のみたれ(乱)るへきゆへなり およそ病者のあたりにて 世間の事をハ 善悪につけて ゆめ〱物かた(語)りあるへからす候

 

【現代語訳】

その理由は、人が言葉にして申したてることになると、理由もない物まで欲しく思われて、心が乱れるもとになるからでございます。およそ病人のまわりで、世間のことを善きにつけ悪しきにつけ、決して語り合うことは、しないほうがよいと思われます。

 

本文ならびに現代語訳は、神居文彰他著『臨終行儀—日本的ターミナル・ケアの原点—』(渓水社、一九九三)より転載させて頂いております。