和尚のひとりごとNo1143「法然上人二十五霊場 十番」

和尚のひとりごとNo1143 法然上人二十五霊場 法然寺(十番霊場)

第十番霊場 大和 浄土宗 法然寺

ご本尊 阿弥陀如来 

御詠歌
極楽へ つとめて早(はや)く いでたたば 
身の終(おわ)りには 参り着きなん

法然上人が建久二年(1191)の春、高野山に参詣の折、聖徳太子生誕の橘寺(たちばなでら)へ立寄られ、その帰途(きと)錫(しゃく)を留めて村人を御化導され、村人の懇望により遺身の木像を刻(こく)されたと言う。

それから三百余年の後、知恩院第二十六世保誉上人が霊夢により、「香久山や麓の寺はせまけれど、高きみのりを説きて弘(ひろ)めむ」との歌を法然上人より賜(たまわ)り、この寺に隠栖(いんせい)して寺号を法然寺と改称されました。

ご本尊は鳥仏師(とりぶっし)の作と伝えられ、阿弥陀様の「み足」と蓮台との間にすきまがあり、「浮足の弥陀」と言われています。

周りに遺跡、歴史あるお寺が、数多くございます。ゆったりと万葉の時代に想いをはせながら散策されてはいかがでしょうか。

※刻す きざむこと ほりつけることです。

※ 錫 僧侶が持っている杖のことです。ここでは、「杖を留める」という意味です。旅の途中で一か所にしばらく滞在することです。

※ 隠栖 世間から離れて、ひっそりと暮らすこと。

※ 鳥仏師 飛鳥時代の仏像制作をした人 日本の仏工の祖と言われています。