和尚のひとりごとNo1129「法然上人一代記 57」

57.真影の法然上人

「光明遍照(こうみょうへんじょう) 十方(じっぽう)世界(せかい) 念仏(ねんぶつ)衆生(しゅじょう) 摂取不捨(せっしゅふしゃ)」
如来さまの光明はあまねく十方世界を照らして
仏を念ずる衆生をおさめとって漏れ捨てることはない
法然上人は『観無量寿経』のこの一節をおとなえになったあと、静かに息を引き取ったと伝えられています。
さて法然上人を慕う人々は京の都人だけではありませんでした。東国の武士たちも上人に帰依する者多く、その中で桑原左衛門という者がありました。左衛門入道は上人が滅する前、自ら上人のお姿を木像に彫って報恩のあかしとしました。法然上人はその志に感じ、開眼供養を施したと伝えられています。
法然上人の木像は二躰造られ、法然上人滅後は生実の上人に仕えるが如くでありましたが、関東へ帰る際にそれらを尼僧に預け、やがて知恩院の御影堂に祀られるようになったという事です。