和尚のひとりごとNo1102「法然上人一代記 31」

31.大仏殿炎上

念仏僧を見つけたら法衣をはぎとり、身につけた袈裟を破いてしまえ、そのような布告さえ出される中でありましたが、法然上人は吉水の草庵にてただひたすらに念仏を続け、訪れる人々に説法する日々を送りました。
そのような中、平清盛の専横に憤った南都の衆が清盛に背いたとしてその怒りをかい、重衡(しげひら)を大将に南都に焼き討ちをかけ、東大寺の大仏殿をはじめ数々の堂塔が甚大な被害を蒙りました。かつて聖武天皇が国家安寧を願い、国の威信をかけて建立した大仏殿は炎上し、大仏の首までが焼失してしまったと言われています。時に治承四年(一一七九)、平家が全盛の世の中でありました。

南都焼き討ち