和尚のひとりごと№2332「看病用心鈔」1
和尚のひとりごと№2332「看病用心鈔」1
看病御用心 良 忠
【本 文】
敬知識看病の人に申上候 往生極楽ハこれ一大事の因縁なり もし知識勧誘のちからにあらずよりは この一大事を成就する事あらむ((ん))や これによりて、病者ハ知識にをきて仏の思いをなし 知識は病者にをきて一子の慈悲をたるへ((垂))しといへり しかれハすなわち病者甲某の所存のおもむ((趣))きをしろしめして((知ろし召し))、病に
ふさん((臥))はしめ((初))より 命のつきん((尽))おはり((終))まで 御用心候へき事ともを((共)) しるし申をき候((置))
【現代語訳】
敬って知識・看病人に申し上げます。人間が極楽往生することは、誠に人生において一大事の因縁ごとです。もし知識の慈悲の心による念仏の勧誘がなかったならば、どうしてこの一大事を成しとげることができますでしょうか、とてもできはしないでしょう。それ故に病人は、知識に対して仏を拝するのと同じような思いをなし、知識もまた病人に対して慈悲の心をもって、我が子に接するようにしなさいと言っています。そこでここでは病人(誰々)の心中に思うところを把握なさって、病床に臥したその時から、死に至るまでの間、看病人として心得ておくべき事柄を記し申し上げておきます。
本文ならびに現代語訳は、神居文彰他著『臨終行儀—日本的ターミナル・ケアの原点—』(渓水社、一九九三)より転載させて頂いております。
