和尚のひとりごと№1436「偈文30」

和尚のひとりごと№1436「偈文30」

 

 

 

 

(書き下し文)
高祖光明善導大師 宗祖円光明照和順大師 二祖大紹正宗国師 三祖記主禅師 三国伝灯諸大列祖等の慈恩に酬い上(たてまつ)らん

(原文和訳)
高祖光明善導大師、宗祖円光明照和順大師、二祖大紹正宗国師、三祖記主禅師、及びインド・中国・日本の仏法が伝えられた三国の偉大なる祖師方の慈恩にむくい奉ります。

高祖光明善導大師は、唐代の長安にあって浄土の教えを広め、法然上人及び我が国の浄土思想に多大なる影響を与えた。浄土五祖の第三。

宗祖円光明照和順大師は浄土宗の開祖法然房源空(ほうねんぼうげんくう)上人のこと。諡(おくりな)として円光(えんこう)・東漸(とうぜん)・慧成(えじょう)・弘覚(こうかく)・慈教(じきょう)・明照(めいしょう)・和順(わじゅん)・法爾(ほうに)の八つの大師号があり、これらを全て読み上げることもある。

以上、善導大師と法然上人を「浄土二祖」と呼ぶ。
また「浄土五祖」」とは、法然上人が『選択集』において浄土宗の師資相承血脈を明らかにする中で挙げられた人師。中国において弥陀の教えを宣揚した曇鸞(どんらん)大師・道綽(どうしゃく)禅師・善導大師・懐感(えかん)禅師・少康(しょうこう)の五祖の総称。またそれに加えて中国・日本の浄土教における祖師として菩提流支(ぼだいるし)三蔵、さらにはインドの龍樹(りゅうじゅ)菩薩や天親(てんじん、世親 せしん)菩薩を挙げることもある。法然上人は道綽・善導流の師資相承の血脈譜の筆頭に流支三蔵を挙げており、龍樹・天親も浄土教の趣意を明かした私たちの教えにとって大切な論師である。

二祖大紹正宗国師は浄土宗の二祖。諱(いみな)は弁長、字(あざな)は弁阿、号は聖光房。鎮西上人、筑紫上人、善導寺上人。大紹正宗国師は滅後600年の文政10年(1827年)に仁孝天皇より贈られた諡号となる。現在の浄土宗につながる鎮西義の祖とされる。

三祖記主禅師は浄土宗三祖良忠(りょうちゅう)上人のこと。然阿弥陀仏略して然阿(ねんな)とも。主に東国に布教を行い、鎌倉光明寺を創建、西山義を始めとする異流に対して、二祖三代の相伝により鎮西義を確立した。その門下は六流をなしたという。

印度(天竺)、中国(震旦 しんたん)そして我が国日本の三国という表現は、インドより大陸のオアシス地帯を経て伝わった北伝の仏教を指している古来よりの表現。実際には日本仏教が朝鮮半島などの仏教の恩恵に与ること大であったことも忘れるべきではない。