和尚のひとりごと№1245「第十願 速得漏尽願」

和尚のひとりごと№1245「第十願 速得漏尽願」

 

第十願 速得漏尽願(そくとくろじんがん)

設我得佛國中人天若起想念貪計身者不取正覺
せつがとくぶつこくちゅうにんでんにゃくきそうねんとんげしんじゃふしゅしょうがく

 

たとい我(われ)、仏を得んに、国の中の人天、もし想念を起こして、貪計せば、正覚を取らじ。

 

【言葉の説明】
漏尽   「漏」とは、煩悩のこと。煩悩が全く尽きた状態をあらわす
想念   想像によって妄念を起こすこと
貪計   わが身に執着して自分に都合よくなるように計らうこと

 

【現代語訳】
私が仏となる以上、私の国土に住む人々や天人が、妄念を懐いて、その身に執着するようであれば、私は仏となるわけにはいかない。

 

煩悩とは、欲望が自己中心に動員されることである。
わが身可愛さのあまり思いもかけない行動をし、欲望を満たす。
その様は、煩悩にとらわれた生き方ともいえる。

 

 

参考文献 

現代語訳浄土三部経 (浄土宗出版)

無量寿経 (注解者  阿満利麿  筑摩書房)