和尚のひとりごと№2197「鎌倉法語集」7

和尚のひとりごと№2197「鎌倉法語集」7

 

 

 

 

 

第三:深心①

(ふたつ)に深心(じんしん)とは深(ふか)信(しん)じて疑(うたが)わぬ心(こころ)なり。これに二(ふた)つの信(しん)有(あ)り。

(ひとつ)には自身(じしん)はこれ罪悪(ざいあく)生死(しょうじ)凡夫(ぼんぶ)にして凡夫(ぼんぶ)曠劫(こうごう)より以来(このかた)常(つね)没(しず)常(つね)流転(るてん)して出離(しゅつり)縁(えん)ある事(こと)なしと深(ふか)信(しん)ず。これは自力(じりき)にては生死(しょうじ)出(い)でがたしと我(わ)身(み)のほどを信(しん)ずるなり。

 

【訳】

第二に深心とは深く信じて疑わない心です。深心には二つの信があります。

一つ目は、自分は罪や悪を作り生死輪廻を繰り返している凡夫であり、極めて長い年月の中で、常に輪廻に沈み、生き死にを繰り返していて、そこから離れ出る縁がない事を深く信じることです。これは自分のカだけでは生死輪廻から離れ出ることは難しいと自分の身の程を信じることになります。

 

※大本山光明寺さまより発行されている『鎌倉法語集 良忠上人のお言葉』より再掲引用させていただいた内容となります。