和尚のひとりごと№1412「偈文7」

和尚のひとりごと№1412 「偈文7 称讃偈」

 

(書き下し文)
釈迦如来の真の報土は、清浄にして荘厳の無勝是れなり。
娑婆を度せんがために、化を分って入り
八相成仏して衆生を度す

増上寺を中心とした東国の縁山流声明において唱えられるもので、この偈は初重に該当する。続く二重・三重とともに、まず前段の四念仏が唱えられ、それに後段の偈が続く形式をとる。「称讃偈」と称されるように誦経後の称讃として用いられることが多い。
”八相”とは教主釈迦牟尼仏の生涯を彩った大切な出来事で、弥勒の兜率天からの「下天(げてん)」、母摩耶夫人の胎内に宿った「託胎 (たくたい) 」、母故郷への道すがら、その右脇から誕生した「降誕 (ごうたん) 」、人生の苦悩を解決せんがために城を出た「出家 (しゅっけ)」、覚りに対する悪魔による障害を退けた「降魔 (ごうま)」、そして菩提樹下での正覚(さとり)である「成道 (じょうどう)」、鹿野園において五比丘になされた最初の説法である「転法輪 (てんぼうりん) 」、クシナガラ沙羅双樹のもとで入滅された「入涅槃 (にゅうねはん) 」の八つを指している。

善導『般舟讃』より