和尚のひとりごと「一枚起請文1」

浄土宗の朝夕のお勤めにおいて読誦される『一枚起請文』は、
元祖法然房源空上人がそのご臨終の床にあって、愛弟子の勢観房源智上人に託された御遺訓(遺戒)であるとされ、京都黒谷にある金戒光明寺には直筆と伝えられる「一枚起請文」が伝承されています。
成立は入寂直前の建暦二年(一二一二)正月もしくは、その前年の12月だといわれ、生前より説かれてきたお念仏の教えと実践の真髄がここに示されています。
念仏一行、ただそれだけとされれば、ここに様々な意味合いを読みとろうとするのが、私たち凡夫のならいであるかもしれません。事実、元祖上人の御心にそぐわない様々な”邪義(よこしまなる見解)”が主張されることもあったのでしょう。
しかしここではっきりと説示されているように、”たとえ釈尊の説かれた教えを悉く学びつくしたとしても、自分はいまだ愚かな者であると見定めて、ただひたすらに念仏すべきである”、これこそが元祖上人が弥陀の化身と仰ぐ中国の善導大師より受け継いだ教えであり、仏の大慈悲にかなうお念仏であります。
「和尚のひとりごと」では、一枚起請文をわけて見ていきたいと思います。

合掌

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