和尚のひとりごと「伝道掲示板319

sono15

出家が守るべき戒律に最も精通していた事から「持律第一(じりつだいいち)」と
称せられた優波離(ウパーリ)に仰った言葉。
優波離は釈迦族の理髪師であり、当時のインドの身分制度(ヴァルナ)では
最下層のシュードラ(奴隷)の出身であったという。
優波離が出家を申し出たとき、釈尊はその出自に拘らずそれを許し、
また数ある志願者の中で、まず最初に彼を出家させたと伝えられる。

優波離はある時、阿蘭若(あらんにゃ、人里離れた山林や荒野)の行をしたいと師に申し出たが、
釈尊はたとえをもってこのように諭した。

”大きな象にとって楽し気な池での水浴も、
小さな人間にとっては恐ろしい体験となることもある。
そのようにそれぞれの身の丈にあった行を行うべきである。
そなたは衆中にて(ひとりではなく仲間とともに)修行を続けるように。”

合掌