和尚のひとりごとNo103「八大地獄」

 

和尚のひとりごとNo102に引き続いて地獄について紹介します。

 

 「往生要集」には、地獄は大きく八つに分かれていて、生前に犯した罪の重さによって堕ちる先が変わると、説(と)いています。

 

 最も罪の軽いものが堕ちるところから、「等活(とうかつ)地獄」「黒縄(こくじょう)地獄」「衆合(しゅごう)地獄」「叫喚(きょうかん)地獄」「大叫喚地獄」「焦熱(しょうねつ)地獄」「大焦熱地獄」「無間(むけん)地獄 [又は阿鼻(あび)地獄]」と分かれます。

 

 これらを併せて「八大地獄」と呼びます。

 それぞれの地獄について紹介していきます。

 

 「等活地獄」は殺生の罪を犯したものが堕ちる地獄です。

「等活」とは、「等しくよみがえる」という意味です。

 

この地獄に堕ちると、罪人同士の殺し合いや、地獄の番人たちの責め苦(せめく)が果てしなく続き、たとえ死んだとしてもふたたびよみがえり、また同じ責め苦が繰り返されます。

 

 この地獄に堕ちた罪人の寿命は500歳です。500歳といっても、私たち人の世界の500年では有りません。

天界はいくつもの世界に分かれています。その中で四天王(増長天 持国天 広目天 多聞天 )がいらっしゃる世界が四大王衆天です。

 

四大王衆天の一日は、私たち人の世界の50年です。その四大王衆天の500年が等活地獄の一日になります。

 等活地獄の500年は、人の世界の時間にすると、1兆6653億1250年にもなります。

 

 罪が軽いものが行く「等活地獄」でもこれほどの苦しみを受けるとは、想像を絶します。その他の地獄の苦しみは、どのようなものでしょうか。

次回は、「黒縄(こくじょう)地獄」「衆合(しゅごう)地獄」の紹介です。