こんにちは、玉圓寺の宮島です。先日、カンボジアに行く機会が、ありました。

カンボジアはつい最近まで、内戦と混乱が続いていました。1993年に収まってからまだ十数年しかたっていません。まだまだ混乱の傷跡が多くのこっていますが、首都のプノンペンは大分復興されているようでした。(サッカーの国際試合2015年11月18日の日本対カンボジアなどができるぐらいに)

復興されてきたとはいえ、インフラ整備は、まだ不十分なようです。

道路は、舗装はされていましたが、信号機がほとんどなく(市内に数か所しかないそうです。)交通渋滞がひどい状態です。私が乗ったバスも夕方6時ごろに空港から表の道路に出るのに30分以上かかりました。一応大きな交差点には、警官が交通整理をされていましたが、渋滞の解消にはなっていないようでした。 特に、バイクが多く、はたから見ると交通ルールを守って走っているようにはみえませんでした。よく事故が起きないものだと感心しました。

蛇足ながら、カンボジアでは、バイク用の免許がないそうです。

電気の供給も不安定なようです。街中の飲食店(観光客やカンボジアの富裕層が利用するような店)には、大型の発電機が置いてありました。

カンボジアは国教を仏教と定めている仏教国です。 仏教国といっても日本の仏教と同じではありません。 日本の仏教は、「※1大乗仏教」ですが、カンボジアの仏教は「※2上座部仏教」です。

カンボジアも歴史がある国なので、仏教遺跡からの出土品を収めている博物館に見学に行きました。

カンボジアには、古くから蛇の神さま(ナーガ)の信仰があり、ナーガ信仰と仏教が融合されているのが、カンボジアの仏教でした。

ナーガの像には、五つ首のナーガと七つ首のナーガの像がありました。

日本語が話せるガイドさんの説明では、「五つ首のナーガは、町や村を守り、七つ首のナーガはぶたを守る」というのです。

聞き間違いかと思いましたが、何度聞いても「ぶたを守る」と言っています。周りの人に確認しても、「ぶたを守る」と聞こえているようでした。「ぶた」とは、なにかの比喩かなと思いました。

別の場所へ移動して案内されていると、お釈迦さまの像を「ぶた」と説明されているのを聞いて、疑問が解けました。

「ぶた」ではなく「※3ブッタ」と言っていたのです。

「七つ首のナーガはブッタを守る」これが、正解です。

ガイドさんの日本語は、流暢でしたが、「ぶた」と「ブッタ」の発音の違いは難しいのかもしれません。

カンボジアのお話は以上です。できればまた訪れたい国です。

※1大乗仏教 乗とは、乗物を意味しています。多くの人々を理想世界である彼岸に運ぶ大きなすぐれた乗物という意味です。

人の立場にたって、信じる人すべてを救いましょうという考え方を大乗仏教と言い、一方でお釈迦さまの定めた戒律を守り修行することで悟りを開こうとする考えを上座部仏教(小乗仏教)と言います。

※2上座部仏教  以前は小乗仏教と呼ばれていました。大乗仏教に対して小乗とは、劣っていると誤解されるため、現在では、その呼称は使われていません。

※3ブッタ お釈迦さまのことです。ブッタとは「目覚めた人」を意味し、日本語で書くと「仏陀」となります。